「茉李ちゃん!」

翌週。

今日も元気にやつは私の名を呼ぶ。

君の脳が知りたいわ、どんな構造か。

先週もさんざん色々言ってるのに、全く困ることもなく、今日も元気に生きている。

やれやれ。

好きにはならないけど、結構疲れるなぁ、この賭けは。

「茉李ちゃん、今日は本屋に行こうよ!」
 
「は?本屋?一人で行きなさいよ」

本屋ってやつがやりたいデートには不向きなんじゃ…ってなんで私までデートに相応しいところをなんて思っちゃってんの!?

「なんでよー、本屋好きでしょ?」

いや、好きだけど。

「嫌い」

「うそだぁ!本ばっかり読んでるくせにー」

「だからと言って本屋が好きかどうかは違うでしょ。しかも一緒に行って落ち着かないって」

自分のペースで読みたいし、隣にいたら邪魔じゃん?