翌朝。彩音は俺の家の前で待っていた。
彩音の家から1分歩けば俺の家に着く。
「おはよ」
「おう」
「昨日は用事でもあったの?」
「まあな」
昨日は耐えきれなくて、彩音を置いて帰ったんだった。
彩音が朝野を好きだなんて、今でも___
「はい、弁当」
「サンキュ」
「あと・・・」
「ん?」
「・・・昨日話したことは、誰にも言わないでね?」
「・・・わかってる」
「ありがと」
昨日と同じ表情でそう言った彩音はすぐにいつもの顔を取り戻し、
「ほら、置いてくよ?」
と楽しそうに歩き出す。
でも、もういいんだ。彩音が幸せならって思える。
だから、決めた。
ちゃんと気持ち伝えて、キッパリ振られて、俺の初恋は幕を閉じる。