___懐かしい夢を見た。
幼稚園の頃、同じ組の男の子に嫌がらせされて、狭い運動場でこっそり、泣いていた。
見つけてくれたのは、彩音だった。
[私が守るよ!]
その言葉が嬉しくて嬉しくて。当時気が強かったいじめっ子には誰も口答えできなかったから。
俺は情けなく頷いた。
そしたら彩音は俺の手引っ張って、真っ先にそのいじめっ子のもとに向かった。
[謝ってよ!]
人一倍責任感の強い彩音はいじめっ子に向かってそう言ってくれた。
俺の手を握りながら。小刻みに震えながら。
その時の事は今でも忘れられない。強かった彩音を。弱かった自分を。