「さて、みなさまお待たせしました! 次のバトルを開始します!」


散々死体を眺めて満足したスーツの男がようやくそう言った。


時間はいつもより10分も過ぎている。


「次なる対戦相手は……中尾友(ナカオ トモ)VS薮木光大(ヤブキ コウダイ)VS正木公恵(マサキ キミエ)VS三宅紀子(ミヤケ ノリコ)」


公恵の名前が呼ばれた瞬間、公恵が「うそでしょ!?」と、声を上げた。


今まで人のバトルを見て楽しんでいたくせいに、いざ自分の名前が呼ばれると青ざめている。


「がんばれよ公恵。死ぬなよ」


酒本君が公恵の肩を叩いてそう言う。


「でも相手男子もいんじゃん! 卑怯だよ!!」


自分番が回って来た途端に文句が多くなる。


そんな公恵を見ながらも、あたしはホッと息を吐き出していた。


新ルールになってからのバトルはこれが2度目だ。


もう少しよく観察してから呼ばれた方が、少しは落ち着いていられるだろう。


公恵たち4人が無理やり部屋の中へと押し込まれていく。