だが、肝心のアンナはというと、柔らかく笑って、ほっと一息をついている。
「なんだぁ。断ったら、もう友だちやめちゃうのかと思って、本当に真剣に考えたんだからね。でも、良かった…」
なんだそれ。
本当にそれだけでいいのか、と私まで心配になる。
あんなことをされて怒らずにいられるとは、さすが漫画のヒロインやってるだけあるな、と初めて尊敬する。
「皆も迷惑かけちゃったね、本当ごめん。南さん、だっけ? 南さんもいろいろごめんなさい。その姿からして、この世界の住人じゃなさそうだし…あ、3次元から来たんですよね。巻き込んでしまったお詫びに、何か協力してあげたいんですけど…」
バツの悪そうに言う彼女。
お詫び……お詫び、かあ。
なら、聞いてみようかな。
もしかしたら、知ってるかもしれないし。