ピンポーン、とインターホンを鳴らせば、お母さんらしき人の声が聞こえる。
『はい、どちら様でしょうか』
「あっ。え、と…朝倉 南です」
アンナとは会ったことないし、もちろん話したこともない。
だから、なんて言えばいいのかわからず、自分の名前を名乗ることしかできなかった。
『朝倉…はて、アンナの友だちかしら?』
「そ、そうです…!」
どうにか誤魔化したが、このままではいずれバレてしまう。
早いうちに、なんとかアンナに会うことが出来れば良いのだが…
「ところで、アンナさんはどこに?」
私の代わりに、ソウスケが尋ねてくれた。
『アンナは、数日前から部屋にこもりきりなのよ。『何かあったの』って聞いても、何も答えてくれない…どうしちゃったのかしら』
そんな…部屋にこもっている?
まさか、漫画のヒロインが引きこもりになるなんて…!