「ここ!」
指差したのは、かなり大きな一軒家。
あの原稿に描かれていたのと、全く同じである。
「本当に、アンナの家なの!?」
「多分!」
「アンナもいる?」
「分かんない…でも、賭けてみるしかない」
あの原稿のワンシーンは、風邪で休んだアンナをお見舞いに来る3人の姿。
ということは、いずれこの2人もまた家に来ることになる。
だったら、今知っておいても、何の損にもならないはず。
タイガだって、私たちがここにいることを察することが出来るだろう。
「ってか、入っていいの?」
ソウスケが心配そうに聞く。
肝心なそれを確認するのを忘れていた。
どうしよう…とも思ったが、きっと何とかなるであろう。
アンナに事情を話せば、それで一発解決するのだから。