私を導いた、あの生原稿。


きっと、それがヒントになっていたのだろう。


「こっち!」


2人を誘導しながら、走り行く先はアンナの家。


「なにこの道!? 僕、知らないんだけど!」


「タイガは、場所分かるの?」


「大丈夫…きっと知ってるはず!」


あの原稿は、まだ世に出ていないものだった。


ならば、この世界も変化する前。


アンナの家を知っているのは、作者と私と以前家にいたことがあるタイガだけ。


誰も来ない。


来ることが出来ない場所なんだ。