だが、渡されたものは、ただの紙に絵を描いただけのような、到底スマートフォンだとは信じがたいもの。
少しでもいじってしまったら、くしゃくしゃに折れてもう使えなくなってしまうように思えて、私も恐れがたい。
ごめん、と一言だけ謝罪の言葉を添えて、これを返した。
その3文字がどういう意味を持つのかは、きっとソウスケなら分かってくれるだろう。
もしかしたら、この世界は、作者に全て支配されているのかもしれない。
キャラクターたちが時々意思に反した行動をしたりするのは、作者の思うキャラクターと本人たちの心がすれ違っているからで、よく分からないまま物事を扱うのは、作者の思い通りの展開にしたいから。
つまり、キャラクターが自由に生活することの出来ない、操り人形のような世界になっているということだ。
それに気付いているのは、きっと誰ひとりとしていないだろう。
私がここに来るまで、彼らにとってそれが当たり前であったのだから。