「なっ…! 僕だって、君じゃない女の子にならもっと親切にできるよ!」
「…うん、分かってる」
ちょっと悲しいが、その事実は変わらない。
何があったのか分からないけど、カエデは3次元の人間に対して、何らかの不快感を持っている。
それは、深く大きく、人一倍の威力を持っているのだ。
私は、そんな彼から受け取ったスマートフォンを開く。
待ち受け画面もこの世界に来る前のままだ。
「うわっ、それ…俺らじゃねーか」
明らかにドン引きした様子のタイガが、顔を青ざめて言った。
そう、私の待ち受け画面はウィーユーのキャラクターたち。
もちろん、この3人もいる。
キラキラ笑顔のカエデ。
いつも通りクールな表情のソウスケ。
セクシーに決めたウインクのタイガ。
見慣れた画像のはずなのに、目の前に本物がいると思うと、私までなぜか恥ずかしくなる。