「このままじゃらちが開かない。それに、確かに俺たちも君がここにいる理由を知らないから、この機会に教えてよ」


「確かにそうだな。3次元の人間がこっち側に来ることなんてあり得ねーし」


そのかわり、どうしてこの世界の人々が3次元の人間を恐れているか、教えてくれない?


そう聞こうと思ったが、なぜだか声が出なかった。


知ってはいけないことではないと思うし、聞くことに怖がる必要もないはずなのに。


「分かった」


私はとりあえず、それだけを言っておいた。


話し終わったときに、そのことも分かるかもしれないと思ったのだ。


来客用のソファーに腰かけようと思ったが、校舎のように崩れてしまいそうなので、座るのをやめて立ったまま、ありのままを話し始めた。