エレベーターに乗り込もうとしたところで。

ちょうど降りてきた、直生さんと千代さんに鉢合わせた。



直「あ、理沙ちゃんのとこ行ってた?」

チ「理沙子、落ち着いた?」



2人の声が重なった。

どうやら、2人も理沙子さんの部屋に向かおうとしていたようで。




瀬「はい、だいぶ熱も下がってます。ただ、やっぱりまだまだきつそうですね・・・。
夜のバーベキューは遠慮しますとのことでした。」

直「そっか。瀬名さん、今日のビーチ行き、辞めるんでしょ?俺も辞めるからさ。
俺も一緒に、交代で理沙ちゃんの様子見るよ。」


ビッグシルエットのTシャツに、ダメージデニム。
手首で揺れるターコイズは、懲りない私を痺れさせる。



瀬「あ・・・それなんですけど。
そのつもりだったんですけど、理沙子さんがビーチ行きは絶対辞めないでって。
私たちに、遠慮、してると思うんですけど。」



困った顔で黙る、直生さん。私も、何も言えなくなる。





確かに、今日はすごく楽しみにしてたけど。
理沙子さんを置いていくのは、とても不安。







チ「よし、じゃあ早めに戻ってくるように時間変更しましょう!
理沙子のことだから、これで直生さんも瀬名さんも行かなかったって知ったら、多分超キレますよ。笑」




千代さんのからっとした笑顔に。

確かに、理沙子さんめちゃくちゃ怒りそう、と容易に浮かんだ。