薄いグレーに透ける壁が。
天井だと気づくのに、だいぶ時間がかかった。
私、寝てるんだ。
ここは?
何をしてたんだっけ・・・
蘇る、耳元に要さんの熱い息と掠れた声。
頬が触れた、固い胸の鼓動。
私を支えた、腕の強い力。
あれ?撮影・・・!
はっと体を起こそうとした瞬間、右のこめかみに激痛。
あまりの痛みに、全身が重力に従う。
暗い部屋。今、一体何時だろう?
視線だけで時刻を探そうと、左に視線を振って_______________
息が止まった。
私の横たわるベッドに上半身を乗せる。
さらさらの前髪から覗く、閉じた瞳と長い睫毛は。
_________________要さん。