「理沙さん!!直生来てましたよね?!」
倫くんたちを見送って事務所に戻ると、鼻息荒くアヤちゃんが詰め寄ってきた。
年齢層の高いこのお店で、唯一の後輩。
このお店の中ではだいぶ若い子キャラだけど。それでも私の一個下、26歳。
「くっそー、航の次に直生が一番好きなんですよ!!
テーブルつきたかったな~~~羨ましい!!」
拳を握って、宙を仰ぐ。
『航様の次って、その時点で一番じゃなくねー?』
ロッカーの鍵を回す。
「まさか、この後アフター入ってたりしません?」
『しないよ、さっき帰った。』
なーんだと思いっきり気の抜けた顔になり、しょぼしょぼとドレスを脱ぎ始めたアヤちゃん。
可愛いなぁ。
今度航大が店に来たら、また席に呼んであげよう。
ファンクラブに入るほどのplanetファンらしいのに、席では全くミーハーに振舞わない。
ホステスとして、適度に騒いで盛り上げて。いい仕事してくれる。
だから、私はアヤちゃんが好き。
お疲れさまでーすとアヤちゃんが欠伸をしながら出て行った頃、携帯が光った。
画面に浮かぶ、
『剛田 剛』