「……花!……優乃花!優乃花!」
「…………んっ…お兄ちゃん?」
「お前大丈夫か?うなされてたけど」
いつも過保護なお兄ちゃんだけど、今日はいつにも増して真剣な顔。
そりゃそうか、鏡に映る自分の顔色を見て納得した。
パジャマは汗びっしょりで手と足は震えていた。
「…………嫌な夢」
現実かと思うくらいリアルで、5年前のお母さんの姿と何も変わっていなかった。
「お母さん…」
考えていても仕方ない。
黙々と制服に着替えて1階にいるお兄ちゃんの元へ向かった。
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