「新作のホラー映画借りてきたから、奈央ん家で観たい」
「え」
思わず拍子抜け。
そんなことでいいの??
「てかコレ私が観たがってた奴じゃん」
「はあ? 真似すんなよ俺が観たかったんだよ」
「だって予告で流れる度私言ってた奴だもん!」
「そんなんいちいち覚えてるわけねーだろ」
そうか、まあ、それもそうだね。
「今から観るの?」
「そう」
「えーでもお風呂入りたいんだけど」
「待ってる」
そこまで言ってくれるなら、断る理由なんてない。
「じゃあいいよ、観よ」
頷いたら凛の口角が嬉しそうに上がった。
「あ。てか勉強いいの? あとお母さんにはちゃんと言ってきた?」
「勉強はノルマ終わってるから問題ないし、お母さんは承知済みだから大丈夫」
ほんとかなあ。だってこないだ当分遊ぶの控えるって伝えたのにコレだもん。絶対良く思ってないはずなのに。