凛は「寒い」「ふざけんな」「奢れ」と文句しか言わなかった割に、私が呼び出すとどんなに遅くても出てきてくれたよね。
そういうところが、凛らしいと思う、すごく。
「だからかな、肉まん食うと冬って感じする」
「私はアメリカンドッグ食べると未だに受験って感じする」
ん、と具のソーセージ部分を凛に差し出す。
「あのさあ、この食い方、他に付き合ってくれる奴学校にいんの?」
言いながらソーセージに齧りつく凛。
「いるわけないじゃん。だから私これ、凛といるときしか食べれない」
あ、だからか。それで特別感を感じてこういうとき絶対買っちゃうんだよね。
アメリカンドッグは生地のみしか食べないという偏食の私だけど、凛はそれももう小学校5年生の頃から承知済み。
幼なじみは、色々話が早くて助かる。