「あ、どうしよ一回帰って着替えてこよっかな」
「ふーん、それでもいいし、貸すけど別に」
「んーー、帰るの面倒くさいからじゃ借りる」
隣の家のくせして、その距離さえ怠りたくなるのは全部冬のせいだ。
凛の家は家と一緒で両親共働き。
だからか家も凛の家も子供にあまり関心がなく、基本放任主義。
子供の頃はそれがたまに寂しかったけれど、高校生になるとそれくらいが丁度良かったりする。
「はいこれスウェット」
「さんきゅー」
脱衣所を借りてパパッと着替えると、鬱陶しい髪の毛を手首につけていた髪ゴムで無造作に1つにくくった。
「腹減んない?」
「とっても」
「ゲームやる前になんか食お」
いいねーと賛同すると、凛が塩と味噌2味のラーメンを私の前にかざした。
んーーちょっと迷うけど
「「味噌」」
だーよーねー。