帰りのSHRが終わった。

掃除当番以外は次々教室を後にしていく中、私は割とのんびりしていた。

「奈央ー、またね」
「あ、じゃあねー」

クラスの友達に手を振り別れを告げる。

んー帰ってもやることないしなあ。
どこかへ寄り道していきたい気分、だけど。

「(でもなあ〜)」

なにせお金がない。

バイト代は全部、プロレスのG1MAXのDVDに貢いじゃったし。


おかげで今月まだあと半月くらいあるのにお財布の中は既にすっからかんだ。


もう少しシフト増やしてもらおうかなあ。

上履きを靴箱にしまいながら、昇降口を後にするとスマホが着信の音を知らせる。

あれ、凛だ。

「もしもーし」

「学校終わった?」

「終わった」

「じゃ早く来いよ」



どこへ??