結構ひどいことを言った自覚はあったのに
あのときの凛は、いつも以上に優しい眼差しで私を見つめて。
「いいよ、その度俺が行動で示すから。
奈央の傷が癒えるまで何度でも、そんなことしないって」
なんだか泣きたくなるようなことを素で言ったよね。
「……私の心は洗濯機ないから、泥でもしつこいよ…」
「そんな雑に洗わない」
「……ありがと、」
いつしか癖になった頭ポンポン。
最初は「ガキだと思ってバカにしてんの?」なんて騒いでた凛も、今は大人しくそれを受け入れてくれるようになった。
どうしたってこの人の隣以上に温かい場所なんて、ないと思った。
だからこそ私は、この隣を何があっても失いたくないと、無意識に心の底から願ってしまったんだ。