**-- another side
     Seventeen --**



あの看護師さんから病室を追い出されたあと、明かりが落ちた病院のロビーであたしは途方に暮れていた。


考えても考えても出ない答え。
あたし1人の力だけじゃどうにもならない“病気”という敵。


栞ちゃんには、あたしが桃原に電話をしようかどうか悩んでいることは知られちゃいけない。


ヒデくんは、もう論外。
栞ちゃんの表面の部分しか見てない人なんか、相談の相手にもなりはしない。


長坂さん……もダメだ。
あんなクソ男のところになんか、もう二度と行きたくない。顔も見たくないし声も聞きたくない。


頼みの綱は桃原さんだけど、バレンタインのあとから連絡も取っていないし栞ちゃんのところにも連絡があった形跡はなかった。


あとは、あたしの両親くらいだ。だけど、仲が悪かったからもう何年も連絡なんてしていない……。


――はぁ……。どこにも出口がないじゃんか。


あたしはロビーで1人、難題を抱えながら痛みに耐えるしか術がなかった。