**-- another side
     Seventeen --**



あたしは怖かった。
栞ちゃんが怖いんじゃない。


これから栞ちゃんに何をしてあげられるかと考えたとき、何もできないんじゃないかと諦めかける自分が怖かった。


あたしは桃原さんの代わりにはなれないだろうし、ただそばで見守るだけで、栞ちゃんの支えにはなれないかもしれない。


栞ちゃんが望むようなことは、何一つできないかもしれない。


余命のことをこのまま桃原さんに黙っていられるのか、あたしはまるで自信がなかった。


桃原さんに隠し通すことが、本当に栞ちゃんのためになるのかな?


桃原さんのためになるのかな?


あたしは本当に分からない……。


桃原さんは、栞ちゃんが別れを切り出したとき、どんなふうに思ったのかな。


あんなに栞ちゃんのことを大事に思ってくれていたのに、そんなに簡単に別れられるものなのかな。


桃原さんの本当の気持ちが知りたい、あたしは栞ちゃんの部屋に泊まったときからそう思うようになっていた。