**-- other side Seventeen --**



むしろ、哀れんだり同情したりする気持ちが大きかった。


完全に“過去の人だ”と言えるようになるまではまだ時間が足りないけど、この調子だとそんなに長い時間はかからなさそうだ。


いったん自分の気持ちに正直になりはじめると、心にあったモヤモヤがスーッと晴れていった。


２回フラれてもなお想い続けるなんて、バカバカしくて俺にはできない。


普通の人ならまだしも、栞は死ぬまで治らない病気なんだ。


未来を想像できない人となんか、ズルズルつき合っていられないんだ。


栞が望むことは俺と別れることだった。俺は望んではいなかったけど、心のどこかで期待していた。


さすが歳上だ。
少しの差だけど、俺より経験を積んでいることには間違いない。


栞は大人だった。
俺なんかよりずっと大人だった。


だから、俺からは言えないことを代わりに栞が言ったんだろう。


カッコ悪いフラれ方には変わりないけど、今後のためには良かったと思うことにした。