**-- Seventeen --**



だから“イジメ”というリスクを背負ってでも、通い続けるしかなかった。


仕方なかった。
10歳のワタシにはどうにもならないことだった。


ワタシの家での状況を知っていたのは保健の先生だけ。


ワタシの目や行動や服装、その他いろいろ、おかしな点を見逃さなかったのは、保健の先生だけ。


それが虐待の一種・ネグレクトだと知ったのは、5年生に進級する春先のことだった。


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「……みねさん、小峯さん!」

「はっ!」


そこまでの夢で、ワタシは誰かに起こされた。


「大丈夫ですか?うなされてたみたいですけど……」


――夢……?


ワタシの顔を心配そうに覗き込んでいる人がいる。


焦点が合わない目をなんとか合わせてその人の顔を見ると、雪をつまみ出した看護師さんだった。


「……だ、大丈夫です」


一気に現実に戻ったワタシは、たどたどしくそう返事をした。