**-- Seventeen --**



雪の顔がワタシの顔の横にくる。“自信がない”みたいなことを言っていたのに、雪はどこからどう見ても自信満々だった。


「ありがとう。大事に履くよ」

「あたしとおそろいなんだ〜、栞ちゃんに似合うと思って」


ワタシと雪は、袋から出てきたプレゼントを手に取ってニコニコと笑い合った。


雪が誕生日プレゼントにくれたものは、ピンクのスリッパだった。


スリッパ全体が淡いピンクのフワフワの毛で包まれていて、側面を指でなぞるとととても触り心地がよかった。


ワタシが今日何度か履いたスリッパは、入院用のやつなんてどれも同じだと思ってスーパーに山積みされていた中から適当に選んだものだった。


廊下ですれ違った患者さんたち、特に若い女性や小さな子たちは、スリッパだけじゃなくパジャマにも気を配っていて、正直言ってみすぼらしい格好のワタシは恥ずかしかった。


「どうせ安物のダサいスリッパでも履いてんじゃないかな〜と思ってさ」


雪はそう言って、意味深に床に目をやった。