「ん?」


結優奈のあたまに手をおいて、顔をのぞきこむ。


「みゆ、翼くんのこと好きなんだ。でも……ね、やっぱりまだ、みゆのなかでのいちばんは翔陽ちゃんなの……」


『ずるいよね』


そう言う結優奈のことばに、俺は首を横にふる。


「全然ずるくない。いますぐつきあいたいなんて、俺は思っていないよ。結優奈のきもちをきけてそれがすっごくうれしかった。

だから、そんな顔しないで?俺は、何年でもまてるよ」


俺がそう言うと、結優奈は泣きながらありがとう、と笑う。


「どんなカタチでも、結優奈をささえていきたい」


このことばに、うそはないよ───。