「あのときとおなじで、またみゆちゃんの家のとなりだから」
それをきくと、結優奈は、うんっ!、と笑顔でこたえる。
「……それとね、あのときにも言ったけど、
あの事故は、みゆちゃんのせいじゃないからね。そんなことを言うひとなんてだれひとりいなかったし、だれもそんなこと思っていないよ。
もちろん、翔陽だって」
となりの結優奈の瞳にはまた涙がうっすらとうかんだいた。
だけど、それでも笑っていた。
「っありがとぉ……!翔陽ちゃんママ、……ありがとう」
そんな結優奈の涙を、翔陽のお母さんはもう1度ぬぐう。
「さぁ……!ママにあいにいってこようかな!……ごめんね、ふたりでいたのに。
マンションまでの道をあるいていたら、砂浜にすわっているおだんごの女の子をみつけて、ただそれだけなのに足が自然とこっちにすすんでいて……。
そしたら、みゆちゃんらしき女の子が翔陽のなまえをよぶから、もしかして……って思ったんだ」
「みゆじゃなかったら、翔陽ちゃんママすごくはずかしかったね」
クスッと笑う結優奈に、翔陽のお母さんも笑っている。
結優奈の顔をみると、さっきまでとは全然ちがう。
胸につっかえていたものが、とれたかんじだ。