「うっさいよ!」


「そんな女の子っぽくない朱里にこれをプレゼント。あけろよ」



足を止めたと思ったら、袋に入った何かを渡された。
それを開けてみると



「……これ………」


「そのウサギみたいな女子になって男に守られる女子になれるように頑張りな」



そこには、さっき可愛いって言っていたウサギのストラップだった。



「………なんで、これ」



「可愛いって言ってたじゃん。欲しかったんじゃねーの?」



ただ、女の子っぽく思ってもらいたくて言った一言。



特に、欲しかったわけじゃない。
むしろ長年の貧乏生活のせいか、何かを欲しいということも思うこともなくなった。



だけど、彼は嘘の一言でもちゃんと聞き逃さず、プレゼントしてくれた。