俺は今、彼女とデートをしている。



彼女というのは、あそこでネックレスをジーッと見てる女、佐々木朱里だ。



「それ、欲しいの?」


「…う、ううん!大丈夫!」



朱里はそう言うと、他のものを見に行った。



欲しそうに見てたくせに。
嘘付くの下手すぎだし。



いつもそうだ。
見るだけ見て、結局買わない。



でも、今日はいつもより目を輝かせて欲しそうにしていた気がする。



そう思いながら、朱里が見ていたネックレスを手に取りレジへ持って行った。