「もう、誤魔化すつもりはない。俺、朱里が好きだよ」


「う、嘘だ」


「本当」


「嘘だよ…そんなの」



混乱していると、抱きしめる力が強くなった。



「俺、本気だよ。陽斗が朱里を泣かすなら、俺が朱里のそばで笑わせる。
……だから、俺と付き合ってよ」



光くんと付き合えば楽になれる?幸せになれる?



確かに、楽で幸せかもしてない。だけど、それは逃げだから。



「……ご、ごめ。私……陽斗くんが……」


「知ってる。だけど、今の朱里みて言わずにはいられなくなった」



そう言って、腕を緩めると



「取り敢えず、家に上がりな。風邪ひく」



そう言って、私の腕を引っ張り家に入った。