「っ……!ぃってぇ……」
ゴンッという壁に頭をぶつけた音と陽斗くんの痛がる声が聞こえた。
が、私はパニック。
「え、えっと、あのその…」
慌てて立っている私を、陽斗くんがぶつけた所を抑えながら見上げた。
「……………今、俺…もしかして……」
陽斗くんの目は動揺を表しているように見てた。
「あ、あの!私…えっと………
お、お風呂!お風呂開いたって言いに来たの!……ってことだから、じゃ!!」
私は早口でそう言って急いで部屋を出た。
陽斗くんの「お、おい!」という声が聞こえた気がしたけど無視して自室に入った。
そしてバタンとドアを閉めると、ドアを背にその場に座り込んだ。
まだ心臓がバクバクして壊れそうだ。