そんな話をしながら歩いていると帰宅するまであっという間だった。


家に着くと仕事の準備に取りかかる葵。

「俺、これから仕事だから、かな兄と新のお迎え行ってくれる?」

「うん、そのつもりだよ。葵はお仕事頑張ってね」

「頑張るよー。そうだ!かな兄達と彩さんの所行く時、俺も誘ってくれる?」

玄関に向かいながらも、どうしても一緒に行きたいらしい葵。

「分かった。あっくんお迎え行く時に連絡するね」

「ありがとう。じゃぁ、行ってくるね」

「うん、いってらっしゃい」

そのやり取りをした後、葵はくるっと振り返って


ギュッ

と突然私を抱きしめて、

チュッ

とキスを落とした。

「〜〜〜っ‼︎」

「よし。充電完了!行ってきます」

ビックリしてる間に颯爽と行ってしまった。


「……ビックリした」

私は暫く玄関から動けなかった。