「昨日伝えた事、ちゃんと共有されてるのはありがたいね」

葵がそう言いながらお部屋をちらりと見た。

「うん、私も安心しちゃった。あっくんも楽しそうだし」

そう言いながら、私もあっくんを見つめた。

登園後の準備をしているあっくんは、早く遊びたくてうずうずしている様だった。


「さ、俺達も一旦戻ろうか」 

そう言って私の手を繋いだ葵。

「うん」

2人で家に向かって歩き出した。





暫く歩いていると

「俺達に子どもが出来たらこんな感じで送迎したりするのかな」

突然葵が微笑みながら言ってきた。

「え?……そ、そうかな……でも葵、お仕事あるよね?」

「あ、そっかー。この時間が幸せすぎて、仕事の事すっかり忘れてた」

ポリポリと頬っぺた掻いて、照れた葵は何だか可愛かった。

「ふふ。葵のかわいいところ見ちゃった」

「かわいいって言われても嬉しくないよー。でも身近で新しい命が生まれて、ぽかぽかした気持ちになってるかも」

「ふふ。あっくんの時は葵まだ一緒に暮らしてなかったもんね」

「そうだね。みぃの家族に赤ちゃんが産まれたって感じだったけど、今回は何だかすごく身近に感じてる」

「それだけ葵も城之内家に馴染んできてるって事かもね」

「そうだったら嬉しいな」

新しい命が生まれる事を自分の事の様に喜べるのは家族の一員だからだもんね。