『司っ‼ みぃが病室からいなくなったって聞いたんだけど』

みぃが居なくなったことは、すぐに彼方と日向にも伝わったみたいで、俺の所にやって来た。

『少し前から退院したいって言われてたんだ。でも、まだ完全に熱も下がってないし、もう少し先だって言ったんだよ』

『………テスト近いし焦ってたんだろうな………』

彼方の言葉に俺は眉を潜める。

『テスト、そんなに重要視されるのか?』

『みぃから聞いてない? みぃは、出席日数足りないことが多いから、テストで20番以内じゃないと進級できないんだ。学校から突きつけられた課題だよ』

『っっ‼ マジか………俺、みぃの気持ち分かってなかった。だからあんな軽はずみな事言ってしまったんだ………』

『美晴は司さんのこと悪くは思ってないですよ。ただ遣りきれない気持ちが出てきたんだと思います』

『とりあえず、まだあの体調じゃ病院は出れないと思うから、院内を探そう』

彼方の言葉に俺と日向は頷いた。


Piriririri………

突然鳴り響いた着信音。

『あ、俺だ………葵?』

みぃの幼馴染みの葵くんからみたいだ………

❲もしもし?❳
❲今?病院だよ❳
❲え?みぃがそこにいるの?❳
❲あぁ、うん、分かった。すぐに行くからそこでみぃと一緒に待っててくれるか?❳
❲助かる。ありがとな❳


葵くんと電話を終えた彼方は

『みぃ、病院の近くの公園にいるんだって』

『『え?』』

『たまたま、葵がランニングしてそこを通ったらしいんだけど、ベンチに座ってたみたい』

『まさか、美晴が病院から出るとは思ってなかったですね………』

『みぃ、病み上がりで無茶するなー』

日向も彼方も戸惑っている。

『でも、それだけ退院してテスト受けたいってことだよな………テスト期間だけ、外出許可考えるよ。勝手に無茶されたら困るし………』