『ん………』

暫くすると、みぃが目を覚ました。 

まだ眠ってからそんなに時間は経ってないのに、眠りが浅いのか………

『司っ‼ 受け皿用意して』

彼方の焦った表情に俺も慌てて用意する

『っ‼ おう』

みぃは、タオルで口元を押さえて、ベッドから降りようとした。

『みぃ、俺も司もいるから、ここで大丈夫だよ』

その言葉を聞いて気が抜けてのか、咳き込み出した。

『ケホケホッ………う、ケホケホッ………オェ…オェェェ………』

彼方は、みぃの体を支えながら受け皿で受け止める。

俺は、みぃの背中をゆっくりと擦った。

『ケホケホッ………ヒック、オェェェ………』

見ている方が目を覆いたくなる。

出てくるものは水分と胃液のみ。

さっき戻してから何も食べれていない証拠だ。

『みぃ、吐き気止めいれるね』

そう言いながら俺は吐き気止めの点滴を入れた。




『みぃ………落ち着いた?』

彼方の問いかけに小さく頷いたみぃ。

暫くして点滴が効いてきたのか、落ち着きを見せたみぃ。

『少し聴診させてね』

そう一言伝えてから、聴診をする。

………さっきとあまり変わらないな………

吐き気の考えられる原因は頭痛や眩暈かな………

こういう時に素直に伝えてくれたら助かるんだけど………

患者さんみんながそうしてくれる訳じゃないから、読み取る力を鍛えなきゃな………

まだ熱も高いから、下げる様にしなきゃな………

一度に様々な症状が被り、みぃ本人は勿論、俺も振り回されていた………