外来で診察を進めていると、俺のPHSが鳴った。

師長からの連絡………

嫌な予感しかしない………


『山内先生、みぃちゃんが目を覚ましたんですけど、嘔吐が止まらなくて………』

『わかった。いつもの吐き気止めの注射用意しておいてくれる?』

『分かりました』

みぃがアレルギー反応を起こさない注射をお願いした。


俺は残りの患者さんを他の人に任せて、みぃの病室へ急いだ。


『ケホケホッ………う、おぇぇ………』

病室へ足を踏み入れると、ベッドの上で蹲り嘔吐しているみぃがいた。

『ありがとうございます』

『あ、山内先生……… 嘔吐してから、止まることがなくて………』

そう言いながら、注射を手渡してくれた師長。

『どれくらい続いてますか?』

『15分くらいです』

『分かりました。みぃー、戻しちゃうの辛いな。抑えるために注射打つからねー』

声を掛けながら素早く注射を打つ。


だけどまずいな………

脱水も引き起こしそうだ………

『すいませんが、脱水を防ぐ点滴お願いします』

『分かりました』


暫くすると薬が効いてきたのか嘔吐が治まった。

ベッドに舞い戻りぐったりとするみぃは、見ているこっちも辛くなる………