午前中の仕事を終えてみぃの病室へ急ぐ。

発熱と、みぃが自分で訴えてきた眩暈が心配だな………

扉をそっと開けると、丁度師長が見回りに来てくれていたみたいだ。  

『山内先生、お疲れ様です。みぃちゃん点滴終わったんですけど、なかなか下がらないですね………』

体温計を手に、苦笑する師長。

『喉が赤いから、すぐには下がらないとは思っていたけど、なかなか手強いですね………』

発熱のせいか、荒い呼吸をするみぃ。

『すみませんが、水枕と保冷剤、お願いします』

『分かりました。眠っていても辛そうですし、早く下がるようにしますね』

師長は、すぐに俺の思考を汲み取ってくれた。

『よろしくお願いします。あ、それとみぃは小さい頃から目覚めてすぐに戻してしまうことが多いので、受け皿を枕元に準備もお願いします』

病室をぐるっと見回して準備されていないものもお願いする。

『分かりました。目が覚めるまでは頻繁に覗いておきますね』

『昼休みの間はここに居ますが、その後は仕事に戻るのでよろしくお願いします』

師長はにっこり笑って病室を出ていった。

暫くするとお願いしたものを持って戻ってきてくれた師長。

みぃの頭をそっと持ち上げて水枕を置いて、保冷剤を脇と足の付け根に置いてくれた。

『受け皿はここに置いておきますね』

枕元に置かれた受け皿。

『助かります』


お昼休みの間は目覚めることのなかったみぃ。

心配だけど、仕事は待ってくれない。

俺はそっと病室を後にした。