葵が出ていって少ししてから、俺も医局に戻った。

カルテの整理や論文を読んだりしてから再びみぃの病室へ直行する。


まだ眠ってるみたいだ……

俺は椅子に腰かけた。

「みぃ、熱下がんないなー。目も覚まして欲しいんだけど……」

俺の呟きに微かに聞こえた返事。

「……つ、くん」

「みぃっっ‼ 良かった目が覚めたんだね。どこが辛い?」

「……ど、して?」

どうして病院にいるのか驚いているようだ。

「葵が連れてきてくれたんだよ。いつも仕事中には連絡来ないのに来てるから不安だって、家に見に行ったみたいで、そこでぐったりするみぃを見つけて連れてきてくれたんだよ。まだ半日しか経ってないけど、いつから辛かったのかな?」

返事がなくて聞き返す。

「みぃ?」

「あ……ごめ、なさい」

「謝らなくていいよ。どこがいつから辛いのか教えて?」

「朝からなの。起きたら、はぁ、怠くて寒くて……目眩、あって、はぁ、動け、なくて……」


「動けなくて不安だっただろ?俺はみぃの主治医だから、不安なときは連絡くれていいんだよ?」

「……うん。でも、はぁ、忙し、から」

「それでもいいんだよ。みぃは忙しい事を気にしちゃダメだ。俺の患者さんなんだから、体調優先」

こんな時くらい自分のことだけ考えてくれてもいいのにな……