桜が来てくれたお蔭で、沈んでた気持ちも少し浮上した。

桜の元気な姿は、周りも元気にしてくれる。

「また、元気になったら、ボランティア来てね。子ども達、みんなみぃのこと待ってるから」
 
「ほんと?頑張らなきゃ」

「ほんとほんと。『みぃちゃんいつ来るのー』ってすごい楽しみにしてるから」

ほんとだったら凄く嬉しい。

家族以外で待っててくれる人がいるって大事だな~。

「みぃ、疲れてない?疲れたら身体休めなきゃだよ」

「うん、少しだけだから大丈夫だよ」


桜は仕事を始めてからの方が、心配性になった気がする。

無理してるのがバレたら桜も怖いから、気を付けないとな……

「……私のことは気にせず、休んでね」

「……うん。少しだけ休むね……」

そういって目を閉じると、身体は疲れていたみたいで、すぐに睡魔に教われた。



私が眠った後……

『みぃ、調子どう?』

『あ、司』

『桜、来てくれてたんだ』

『うん、みぃのこと心配だったから』

『今回、高熱続いてるからな。みぃもしんどいと思う』

『だよね……でも大丈夫って言われるんだ』

『それはみんな一緒。桜だからそう言ってるんじゃないよ』

『そうなの?ならちょっと安心した』

『大丈夫って言われて寂しかった?』

『……うん。なんだか力になれてない気がして』

『大丈夫、大丈夫。桜はみぃに元気を与えてる存在だから。いつも通りの桜で大丈夫だよ』

『司……ありがと』

私の病室で、こんなやり取りがされていたなんて知らなかった。