『彼方くん、よく気づいたね』

森先生に声をかけられた。
 

『家でもたまにあるんです。起きてあまり反応しないな~と思っていたら戻しちゃうこと……今日もそんな感じだったのでもしかしてと思ったらビンゴでした』

『その後はどんな感じ?』

『色々です。元気な時もあれば、熱が上がってくるときもあります。 熱が上がってきたら、病院へ行きますけどね』

『そうか……入院中も何度か嘔吐してると連絡貰っていたね。すぐに処置していたんだけど、起きてすぐだったのか……吐き気はまだ上手く伝えられないよな……』

『難しいと思います』

『入院中は、気にしておかないとね。宮本さん、よろしく』

『はい』



『かなにぃー。いっしょ?』

『夜までだけどね』

俺の言葉を聞いて涙目になるみぃ。

『やだ……ふぇ……やだ~』

突然泣き出したみぃ。

『さっき嘔吐したから、不安なんだろうな……彼方くん、側にいてあげられる?』

『いいんですか?』

『ここ、個室だし突然の嘔吐の恐れもあるから、申請出したら大丈夫だよ。何よりいつもこんなこと言わないみぃちゃんだから、側に居てあげて欲しいかな……』


この頃のみぃは、普段は我慢強いんだけど、時々爆発してしまうんだ。

それを見逃さないのが森先生で……

みぃが落ち着けるように、要求をのんでくれたりしてくれていた。