回診の時間になっても起きないみぃは、森先生が来ても目を覚まさなかった。

『彼方くん、ずっと眠ってる?』

『そうですね、発作が治まってから眠ってます』

『ちょっと起こそうか……みぃちゃん……みぃちゃん……』

みぃに優しく声をかけてくれる森先生。

『…………ん~』

少し身じろぎをして、目をうっすら開けたみぃ。

『おはよ。もしもししたいんだけど、いいかな?』

そう言いながら、聴診器を見せた森先生。

みぃは、それを見つめながら、ぼぅっとしている。


…………あ、ちょっとヤバイかも

そう思った俺は、傍にあったバケツを手にとって、みぃの体を起こして、口元に持っていった。




するとその瞬間、

ゲホゲホッ…… オェェェ……

一気に戻してしまった。


森先生も宮本さんも一瞬驚いていたけど、直ぐ様みぃの状態を把握してくれた。

『みぃちゃん、苦しいね』

そう言いながら、背中をゆっくりさすってくれている宮本さん。

『ふぇ……ヒック……オェェェ』

みぃは泣きながら戻している。

森先生は、みぃの事を素早く診察して、注射を打ってくれた。


暫くえづきながら戻していたみぃは辛そうだった。


『ヒック、ヒック……ふぇぇん』

吐き気が落ち着いたのか、俺に泣きついてきたみぃ。

『辛かったな。もう大丈夫?』

俺の問いかけに小さく頷いたみぃ。

良かった…………