ヘッドホンから聴こえる
音が大きなくなり
気付いたら曲に合わせて
口ずさんでいた

そんなに歌はうまくない
だけど声に出せば、歌っていれば
誰かに、あの人に、届く気がする


(こんな辛い恋ならはじめなければ〜
いつか笑える日がくるのかな〜♫)

私はまた下を向く
いつまで経っても前に進めない







その時
誰かの声が聞こえた
高くもなく低くもなくて
ちょうど良い、爽やかな声だった
まるで海からの潮風のような

「はははっ!冷たいなー」