学校帰りの河川敷


桜が散り始めている
今年は例年より気温が低く
桜の開花が遅れたようだ
高校の授業がはじまってから
やっと散り始めていた

散っていく桜を見ながら
またいつものように
ヘッドホンから大好きな曲を流す

途端に悲しくなって
じわじわと辺りがぼやけ
しだいに涙が溢れてくる



私の名前は市川彩
高校2年生になったばかりの
ごく普通といえば普通の女の子



ここ最近はずっとこう
涙が溢れて止まらない



「ねぇ、彩。いつまで泣いてるの」

親友の笹川千夏が心配そうに聞いてくる

彼女は背が高くショートカットでクラスの中心にいるような人物
当然、男子にも女子にも人気がある
入学したばかりの時、はじめて私に声をかけてくれた子だ

「私、もう無理かも…」

絞り出した声はちょっとかすれてて鼻声だった

ああもう泣きすぎて頭が痛い