『おいで』
貴方はそう言って優しく微笑んだ
それは私が世界一大好きな言葉だ
柔かな朝日に照されたベッドの中
貴方の胸に抱かれて夢見る未来は
まぎれもなく幸せに満ちていたよ
なのに
貴方は私の前から去って行ったよ
冷たい雪の夜にサヨナラも言わず
『おいで』
貴方にもう一度そう言ってほしい
そしたら私はまたその胸で眠れる
冷たい満月に照されたベッドの中
孤独に凍える夜に見る懐かしい夢
まぎれもなく幸せに満ちていたよ
『おいで』
魔法の言葉で私を連れて行ってよ
安息の温もりに包まれるその胸へ
なのに
刺さる朝日は私の瞼をこじ開ける
もう少しで貴方の傍に行けたのに
『来るな』
貴方がそう言って怖い顔で睨んだ
それは私にくれた最後の愛の言葉
だから
柔かな朝日に照されたベッドの中
冷たく刺さる孤独に起こされた朝
それでも私は未来に進むと決めた
『またね』
貴方がそう言って優しく微笑んだ
あの頃と何も変わらない声だった
だから
私は笑顔で大きく手を振ったんだ
この遠い道の果てで必ず逢おうと