「“恋愛日記”………」



「…その、小説の世界にされるんですか?」


突然近くに現れた天使さんにびっくりしつつも頷いた




「柚華さんはその小説読まれました?」

「いえ、読んだことないですけど…」

「そうですか。
ではもしその小説の登場人物が出てきても分からないですね

ちなみにその小説は、2人の男女の物語ですが
知らない人にとってはまあ普通に生活できると思います

もっと戦争中の世界みたいなのもあるので、全然マシですよ」


「そうですか。まあ、ただ生きてるだけの毎日を過ごすと思うんで」


「そう……ですか。」


少し手続きをしてくる、と言って天使さんは奥に消えていった

これで良いんだ
ただ、生きてるだけで良い
亮がいないなら別にすることもないし



だから、これでいい







考えていると奥から天使さんが戻ってきた



「それでは、小説“恋愛日記”の世界でのことですが、

柚華さんは今と同じ高校1年生です
もちろん容姿も同じ
ただ住居はマンションで1人暮らしです
あと、お金は銀行に預けています
なくなればこちらのほうで足しますので心配はいりません
あ、でも使いすぎはやめてくださいね


それから、注意事項は特にないですが

記憶は別に消えたりするわけじゃなくこのままなので
異世界から来たということは絶対の秘密です

まあ、それだけですね」


「分かりました」



「それでは、最後にもう一つだけルールを言わせてください。
それは


幸せになること

です」



天使さんはふわりと笑った


流石は天使なのか。笑った顔は凄く優しそうで、綺麗で




泣きそうになった




「ありがとう。天使さん」



ありがとう 亮









「それでは、木村柚華さん。恋愛日記の世界へ」







「さよなら 天使さん」




さよなら 亮