目を開けると、そこはやっぱり天使さんのいる天界だった

あまりにも鮮明に思い出しすぎて
その場にいるのではないかという錯覚を起こしたみたいだ


それにしても亮、焦ってた

それが少し嬉しい
なんて言ってる場合じゃないんだけど


なんだか、ちょっと気が晴れた


小さい頃、私を助けてくれた亮

恩返しができたと思えば良い



だからもう、しょうがないの

会えないのは、しょうがないんだから





どの世界に行けば良いんだろう

本や小説、漫画って言ったってあまり読まないから全然分からない
下手に適当にタイトルを出すと変な世界かもしれない


ふと、思い出したのは亮が好きだった小説


“「この本、面白いんだ。柚華も読んでみろよ」

「えー私、そういうの読むの無理。パス」

「言うと思った」”



そんな日常の会話だったから、あまり意識してなかった

それが、今になって思い出される

結局、あの小説を読むことはなかったけれど



あの小説なんていうんだっけ……

えーっと…

確か・・・・




「“恋愛日記”………」