「柚華!」

柚華を見ると震えていた
呼んでみても反応がない

俊が完全に焦ってた
悪い予感が的中したからだと思う


柚華が何か、呟いているのが聞こえた

「亮・・・亮・・・・会いたいよ・・・」

亮。聞いたことが無い名前だった
でも今はそれどころじゃない

このままにしておくと危ない、そう思った

別にこんなやつ初めはどうでも良かった
でも、俊が気にかけているのを見ている内に
柚華の心に大きな闇があることに気づいた

それからだった。俺が柚華を気にし始めたのは


「柚華!」

俊が少し大きな声でそう言うと、やっと俺らに気づいたみたいだった

「い…ちの…せ?」
柚華の声はかすれていて、弱々しかった
普段の様子からは想像できない状態に俊は戸惑っていた

普段は俊が何を言っても受け流してるのに


とりあえず俺が持っていた消毒液と包帯で柚華の腕を消毒した
柚華は段々落ち着いてきたみたいで、

さっきは視界に入ってなかったみたいだけど今度はしっかりと俺等を見据えていた


「柚華、何があった?」

諭す様に言ってみた


「………大丈夫。関わらないで」

「大丈夫な訳ないだろ」



壊れた様な柚華を見れば


そう言うしかなかった