帰りの会も終わり、私には学校ですることが何もなくなった
帰ろうと思って廊下に出ると、一ノ瀬と椎名がいた


別に喋ることもなにもないから素通りしようと歩くと
待って
と呼び止められた


「さっきの危なかったなー!柚華、広瀬達に何かした?」

「別に。あんたには関係ない」

「冷たっ!まあ、何かあったら言えよ。俺が守るからーなんちゃって♪」

その瞬間、過去が思い出される


『柚華は、俺が守るから』

亮が 亮が
頭の中に広がっていく

そういえば、今日は1回も亮の事考えてなかった
……忘れてた?

何してんだろ、私

忘れるなんて


嫌だ、嫌だ、嫌だ


「…もう、私に近づかないで」

「………俊が助けてやったんだからそれはねぇんじゃねぇの?」


「助けてなんて……ひとことも言ってないでしょ!?
私はあんたの助けなんていらない!」


ほしいのは、亮だけ



……会いたいよ、今すぐ