「……あれ?どうして…?ないんだけど・・・!」

「私の鞄の中にないことがそんなに不服?」

「べっ別にそんな訳じゃ……」


やっと意図が読めた
広瀬さんが私の鞄に執着する理由

この人はあらかじめ私の鞄に財布を入れておいた
そして大きな声で財布がないことを周りに言い
大々的に私の鞄を開ける

そしてこの広瀬さんの作戦でいくと
私の鞄の中に自分の財布が入っていて
「貴女がとったの!?」
って感じにさせたかったのか


でも実際は入っていなかった
だから戸惑っている


でも、入れたはずなのに何故無いの?

それは広瀬さんも、私も疑問に思った


「広瀬。これだろー!?お前の鞄の中にあるじゃん
ちゃんと確認しとけよな!」


声がしたほうを見ると、一ノ瀬だった


「………っ!!」

広瀬さんは私をキッと睨んで
自分の席へと帰って行った


その瞬間、一ノ瀬は私のほうを一瞬見た



もしかして……

そうだ、それなら辻褄があう

さっき一ノ瀬が私の鞄を探ってたのは
私から疑いを消すため


……でも、どうして?


そんなことしてもあいつにはメリットなんて1つもないのに


どうしてあいつは私に関わってくるんだろう




どうして?


私は関わりたくなんか、ないのに