ずっと寝ているうちに、午後の授業も全て終わってしまった
トイレに行った私は、教室に帰って変な光景を目にした様な気がした


………?

今一ノ瀬が私の鞄探ってなかった?
多分見間違いではないはず
私が帰ってくるとほぼ同時に私の鞄から離れ、別のところへと行っていた

……まあいいか

本当は良くないところだけど、あいつと関わると
またしつこいし、面倒くさいのでやめておいた
どうせ鞄には大した物入ってないし


そして担任が入ってきた
今からいわゆる「帰りの会」が始まる(小学生並)
だるいので中途半端に話を聞いていると
いきなり大きな声が聞こえた


「あれ!?私の財布!ないんだけど!?」

声の主はクラスでは中々目立つ女子
…名前は覚えてない

それでも存在を覚えているのは
私の教科書がゴミ箱の中にあったとき
笑っていた奴らの中の1人だから


「ったく。めんどくせーけど広瀬の財布がないらしい
お前等自分の荷物に混じってないか確かめろ」


どうせないっつーの
そう思って確かめなかった
周りのみんなは素直に確かめてるみたいだけど


「ねぇ!木村さんの鞄に入ってない?貴女今確かめなかったよね!?」

「入ってない」

「分かんないじゃん!確かめてよ!そういう奴に限って入ってるんだから!」

そうやって広瀬さん(というらしい)は私の鞄を無理矢理開けた